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(75)秋も食中毒に注意!煮込み料理は、よくかき混ぜる【成長期の勝てる!体づくり】

スポーツ選手の栄養サポートや指導者向けセミナーを行う管理栄養士で公認スポーツ栄養士の舘川美貴子さんが、スポーツをする子どもたちや忙しい毎日を過ごすパパ・ママら、それぞれの世代に必要な栄養についてアドバイス。すぐに役立つレシピも登場します。

食中毒は、夏以外の季節にも発生しています。厚生労働省が発表している月別の食中毒の発生件数を、グラフで表しました。

例えば、春や秋はキノコやフグなど自然毒、夏は細菌性、冬はノロウイルスを原因とする食中毒が多い傾向にあります。

これから本格的な秋のシーズンを迎えるにあたり、サルモネラ菌、ウエルシュ菌、カンピロバクターを原因とする食中毒の発生件数は多くなります。調理の際は注意が必要になります。

今回は、ウエルシュ菌についてお話します。

ウエルシュ菌は自然界に広く存在します。牛や豚、鶏の肉などに付いていることが多く、潜伏時間は約6~18時間(平均10時間程度)です。感染すると腹痛、下痢の症状を引き起こし、特に下腹部が張ることが多いです。

一般的に、細菌は加熱により死滅しますが、ウエルシュ菌は「芽胞(がほう)」を形成するため、高温でも死滅しないのでやっかいです。芽胞とは、菌の増殖に適していない環境でも生き残るための殻のようなものです。芽胞の状態で生き残り、食品の温度が下がると急速に増殖します。

カレーやスープ、シチュー、だしなどを鍋で大量に調理する場合、鍋底が酸素の少ない状態になります。酸素を嫌うウエルシュ菌にとっては良い環境で、増えやすくなります。

予防のポイントは、手洗い、調理器具の消毒です。また、料理を前日から作っておくことは避けます。加熱調理したものは、なるべく早く食べることも心掛けましょう。

煮込み料理などを大量に作るときは、しっかり加熱し、よくかき混ぜるのが大切です。鍋底に空気を送り込み、ウエルシュ菌が芽胞をつくらないようにします。

料理を保存する際は、室温の状態で長く置いておかず、小分けにして素早く冷蔵庫や冷凍庫に入れ、冷却するとよいでしょう。

 

◆舘川 美貴子(たちかわ みきこ)◆

管理栄養士、公認スポーツ栄養士
富山市生まれ。中京女子大学(現 至学館大学)健康科学部栄養科学科卒業。
日本スポーツ栄養学会評議員。学生アスリートやプロスポーツ選手の栄養サポートを行っている。