メニュー

家庭でルール決めて 子どものSNS被害防止

 会員制交流サイト(SNS)をきっかけに、子どもが事件に巻き込まれるケースが後を絶たない。昨年11月、大阪市の小学6年女児がSNSで知り合った栃木県の男性に誘拐される事件が起きたことは記憶に新しい。悪意ある大人から子どもを守るにはどうしたらいいか、専門家に聞いた。(文化部・小山紀子)

■年齢に合わせ閲覧制限
 昨年12月中旬、氷見市南部中学校で開かれた「ネットトラブル防止教室」。県警少年女性安全課の小暮陽介係長(41)が、子どもが裸の写真を送るように強要される「自画撮り被害」など、インターネットに潜む危険を伝えた。参加した1年生は真剣な表情で聞き入り、「脅されたりするのが怖い」「変だと思ったら親に相談したい」と話した。



■悩み吐き出す
 2018年に自画撮り被害などSNSを通じて被害に遭った児童・生徒は全国で1811人(警視庁調べ)。半数以上が高校生だが、小学生も55人いた。

 県内では過去5年間、被害児童・生徒数は10~20人台で推移。18年は男児1人を含む12人が被害に遭った。罪種別では、みだらな行為など青少年健全育成条例違反が5人、児童ポルノが5人、児童買春が2人。最年少は14歳だった。

 情報モラル指導に詳しい富山大教職大学院の長谷川春生准教授は「身近な人に話せない悩みをSNS上で知らない人に吐き出すケースが増えた」と話す。仲間外れにされた、親が分かってくれない-。思春期の子が抱える悩みはいつの時代も同じだが、非行が見えやすかった昔と違い、一見問題行動がない子がネットで他人とつながり、周囲が気付かないうちに深刻な事態に陥ってしまうと指摘する。

■フィルタリング
 見知らぬ第三者と簡単にやり取りができるSNS。年齢や性別を偽る「成り済まし」を見破るのは大人でも難しく、まして判断力が未発達な子どもの場合は至難
の業だ。

 長谷川准教授は、子どもを守るにはネット利用のルールを家庭で決めることが大切だと強調する。例えば、小学生の間はリビングなど家族がいる場所で時間を決めて使う。中学生以上も使用状況を確認する。「思春期の子は話したがらないかもしれないが、心配することがブレーキになる」。SNS絡みの事件が起きたタイミングで話題にするなど、親子でネット利用について話し合うようにしたい。

 有害情報の閲覧を制限する「フィルタリング」も有効な手段だ。18年施行の改正青少年インターネット環境整備法では、18歳未満がスマートフォンなどを購入する際のフィルタリングの説明や設定を携帯電話事業者に義務付けた。



 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯電話3社は「あんしんフィルター」の名前でフィルタリングサービスを実施。年齢に合わせて有害情報をブロックしたり、スマホを使える時間帯の設定などができる。

 制限の強さは「小学生」から「高校生プラス」まで4段階。原則、高校生プラスモード以外SNSは制限されているが、使いたいアプリのみ個別に使用許可することも可能だ。設定方法は基本ソフト(OS)により異なる。

 家庭内の取り組みだけでSNSによる被害を完全に防ぐことは難しいが、まずはできるところから始めたい。

 

2020年1月19日北日本新聞より