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「愛情を持った叱り方が分かりません」②叱るときに有効な4ポイント 明橋大二の【子育て相談室】

質問 最近、子育てに自信がなくなってきました。何度も同じことを注意したり、細かい事にイライラしたりする自分に自己嫌悪。愛情を持った叱り方がわかりません。

 

明橋 叱るとは、自分も相手も大事にできるように「教える」ことです。ヒステリックに叫ぶことも、大声で怒鳴る必要もありません。むしろ怒鳴ってしまうと、子どもは頭の中が真っ白になって、何を怒っているのか頭に入っていかないこともあります。叱るときに有効な方法として4つのポイントをご紹介します。

①子どもの行動をいったん止めて、子どもの目を見て、簡潔にきっぱりと伝える

走り回っている子どもに、遠くから注意しても聞こえません。まずは、がしっと体を止めて、目を見て「これはよくないよ」と伝えてください。

②してほしくないことではなく、してほしいことを伝える

「廊下は走ってはいけません」では、子どもはどうすればいいのか分かっていないことがあります。「廊下は歩こうね」と伝えてください。

③「あなた」メッセージではなく、「わたし」メッセージで

「あなたはおかしい」「あなたはダメ」など、「あなた」を主語にして伝えると、悪い行為を指摘されたのではなく、自分を全面否定されたと子どもは考えてしまいます。親を主語に「お母さんは悲しかった」「お父さんは心配したよ」などと伝えてください。子どもは、親をがっかりさせたくない、悲しませたくないという思いを強く持っているので、親の気持ちを伝えることで「自分が悪かったな」と思うようになります。

④注意しても、子どもは言うことを聞きません

注意は同じことの繰り返しが大事です。「一度で子どもが言うことを聞くようになる注意の仕方はありますか?」と聞かれることがあります。もしかしたら、子どもにものすごい恐怖を与える叱り方をすれば、聞くようになるかもしれません。しかし、それは火遊びや飛び出しなど、命にかかわるような危険な時だけ。日常の「歯磨きをしなさい」「早く着替えなさい」という時に、そんな怒り方をしていては、子どもの心に傷を付け、心の土台となる自己肯定感を損なってしまいます。
ですから同じことを繰り返し言っていくしかありません。そのうち年齢とともにできるようになります。思い出してください。自分たちだってそうだったはずです。

ついついイライラしてしまうという親の皆さんに向け、子育てが楽になる決め台詞があります。「子育ての悩みの9割は年齢とともに解決します」ということ。子どもが言うことをきかないのは、親の育て方が悪いわけではなく、子どもが特別にわがままなのでもなく、そういう年齢になっていないということ。成長するうちにできるようになってきます。
イライラしてしまうということは、それだけ親がちゃんと子どもに向き合っているということ。ついつい子どもにキレてしまうのは、それだけ子育てを頑張っているから。そういう自分を責める必要は全くありません。それだけ頑張っている自分をほめてあげてください。
なかなか子どもをほめられないのは、親が自分自身を認めていない、自分も親からあまりほめられなかったという背景があります。ですから親の皆さんも、たくさんほめてもらわなければいけません。ママ友でも、保育園の園長先生でも、子育て支援センターの相談員でも、自分をほめてくれる人を見つけて、ほめ言葉のシャワーをたくさん浴びてください。すると子どもを自然とほめるようになっていきます。
 

 コメンテーターの皆さんへの相談、アドバイスへのご意見、また「うちも同じですよ」「うちはこうしてちょっと良くなりました」など共感やアドバイスなど、あなたの声をお待ちしております。ご意見はこちらから

 

明橋 大二(あけはし・だいじ)

真生会富山病院心療内科部長、「子育てハッピーアドバイス」シリーズ著者
1959年、大阪府生まれ。 京都大学医学部卒業。 国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院をへて現職。
精神保健指定医、小学校スクールカウンセラー、高岡児童相談所嘱託医、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。専門は精神病理学、児童思春期精神医療。

【ひとコト】子どもによっては、新しい環境に慣れるのに時間がかかる子がいます。親からなかなか離れない子に「1年生なんだから、お兄ちゃんになったんだから、しっかりしなさい」とあまり言うと、より不安になってしまいます。
学校から帰ってきたら、子どもとしっかり話す、またスキンシップの時間を取ることで、がんばっている子どもの気持ちをしっかりと受け止めてあげてください。

 

明橋先生の新著「HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子」が、1万年堂出版から発売されました。イラストは、コノコトで4コマ漫画&エッセー「敏感さは宝物 ななとひよこママのHSC子育て」を執筆するイラストレーターの太田知子さん。親の皆さんに向けて、HSCの知識と、子育てのスキルをまとめた「マンガで分かる」HSC解説本です。四六判、232ページ、1,296円(税込)。