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小学英語 指導法磨け 県内、教科化へ準備

 英語の教科化などを盛り込んだ新学習指導要領が2020年度から実施されるのに向け、県内の小学校でも外国語活動の時間を増やしたり、英語を専門的に教える教員を配置するなど、英語教育の強化に向けた動きが進む。一方、人材の確保や授業時間の捻出には課題が多く、教員の負担増も懸念されている。(社会部・村田美七海)

 グローバル化など社会の急激な変化に対応するため、新学習指導要領では、5・6年生は教科として「外国語科(英語)」を年70時限、3・4年生は外国語活動を年35時限実施することが必須となる。

 移行期間の18、19年度は、3・4年生で年15時限、5・6年生で年50時限の外国語活動が標準授業時数に設定されおり、県内の多くの自治体がこれに従っている。氷見市、舟橋村、富山大附属小は3~6年、黒部市は3・4年生で20年度の時数を前倒しで採用。小矢部市も19年度から段階的に時数を引き上げた。

 県は14年度から、英語を専門的に教える「英語専科教員」を一部の小学校に派遣している。授業を担当するほか、校内研修や近隣校への出前授業を行い、教員全体の指導力向上を目指す。19年度には初めて全15市町村に教員を派遣。以前は非常勤講師が含まれていたが、19年度は正規の教員のみとし、単独で授業や評価ができるようになった。

 教科化に向けた準備が進められる一方、課題も多い。文部科学省によると、公立小学校で授業を担当する教員のうち、中高の英語免許を所有しているのは5・4%。県内の専科教員配置のモデル校は60校(18年度)で、全体の3分の1にとどまる。県教職員組合の能澤英樹執行委員長は「発音や教え方などに困難さを感じている教員は多い。専科教員の数も足りず、20年度にはさらに現場の負担が増えるのではないか」と懸念する。

■片山学園初等科 授業は標準の5倍

 足並みをそろえた教育が求められる公立に対し、独自性の高いカリキュラムを展開できるのが私立だ。6日に開校する県内初の私立小学校「片山学園初等科」(射水市戸破・小杉)は、1年次から英語の授業を毎日1時限設け、6年で高校レベルの語彙(ごい)習得を目指す。授業時間の合計は、新学習指導要領の定める標準時数の約5倍に上る。

学校説明会で米国出身講師による英語の模擬授業を体験する子どもたち=2018年7月、片山学園中学校・高校

 授業は英語専用の教室で行い、日本語の使用は禁止。教科書も全て英語で書かれた物を使う。初年度は1年生30人に対し、米国人と日本人の教員が2人で教える。原本幸一校長は「児童が飽きないよう、自発的に楽しんで学べる工夫をしていく」と語った。

 初等科への保護者の関心は高い。5歳と3歳の子どもを持つ富山市の女性会社員(33)は「子どもの希望次第だが、選択肢の一つとして考えている」と言う。地元の小学校の授業では物足りず、外部の英語教室に通っている知り合いの子どもが多いと言い、「学校で完結した教育が受けられるのは魅力的」と話した。富山国際大子ども育成学部の辻井満雄教授(小学校教育)は、地域と連携した教育ができる点など、公立ならではの強みはあるとした上で、「初等科の英語教育のノウハウは公立にとっていいモデルになり得る。積極的に授業を外部に公開し、刺激を与えてほしい」とした。

2019年4月5日北日本新聞・webunより