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英語のある子育て ① ディズニー映画でプリンセス気分

通訳・翻訳者として国内外で活躍する藤田彩乃さんが、自らの子ども時代、そして自身の子育てと英語講師としての経験から、子どもが英語を好きになるためのヒントを紹介します。

 私は現在、通訳、翻訳、英語講師、英語司会など、主に英語力を活かした仕事をしています。「どうやって英語を学んだの?」と聞かれることが多いので、まずは私の体験をお話ししますね。

小学2年生から英会話教室に

 私は大学2年の時に交換留学生として10カ月米国カリフォルニア州立大学で学びましたが、それまでは富山市内の公立学校で学んだだけで、海外に長く滞在した経験はありません。私の両親はもちろん日本人ですし英語は全く話せません。

 ただ小学2年生から母の勧めで英会話を習い始めました。講師は日本人でしたが、穴埋めドリルをこなす読み書き中心のレッスンではなく、アルファベットの音や英語のリズムを学び、ビデオ教材を使ってリスニング力とスピーキング力を養う、当時としては斬新なレッスンでした。当初はそれほど英語に興味を示していなかったようですが、学んでいくうちに英語や欧米文化が好きになっていき、英会話教室は中学校3年生まで続けました。

 

 言語習得の世界には「臨界期」といって、「ある一定の年齢までに言葉を習得しないと成長してから流ちょうに言葉を操ることができない」という説があり、10~12歳を過ぎると急速に言語習得能力が衰えていくと言われています。この説に対する専門家の意見は分かれていますし、私も「語学を始めるのに遅すぎることはない」と考えていますが、「リスニングや発音に関しては年齢が上がるにつれて習得の能力が低くなる」というのはおおむね正しいようで、自分の経験を鑑みてもそう思います。

聞こえたままを発音

 また子どもの頃からディズニーの映画や音楽が大好きで、小学校5~6年生ぐらいの時には、音楽に合わせて役のマネをして歌ったりしていました。好きな曲のCDを流して一緒に歌うのですが、うまく歌えない箇所は早戻して、上手に言えるまで何度もやり直し。お風呂に歌詞カードを持ち込んでエコーを聞かせて熱唱したり、歌詞を覚えてしまってからは自転車に乗りながら口ずさんだりしていました。(周囲が聞いていなかったことを祈ります…笑)

 当時好きだったのは映画『リトル・マーメイド』。主人公アリエルが歌う『パート・オブ・ユア・ワールド』という曲は今でも大好きです。例えばこの曲では、アリエルが(人魚にはない”足”を思い浮かべて)”What do you call them? Oh, feet!”(あれってなんて呼ぶのかしら…、あ、”足”ね!)と歌い、陸の生活に憧れるシーンがあります。この歌詞、カタカナで書けば「ホワット ドゥ ユー コール ゼム」となりますが、実際のネイティブの発音は(無理やりカタカナにするなら)「ワドゥヤコーレム(Whad'ya call 'em?)」って感じです。英語はスピードが早くなると、音が消えたりつながったりして発音が変化します。大人の学習者でネイティブの発音が聞こえない原因はこの音の変化です。なので、英文をカタカナ発音で自分流に音読するのではなく、聞こえたままを発音するのがポイントです。

アリエルになりきる!

 私もアリエルになりきって、スピード、声の調子、強弱まですべてマネて歌っていました。”Oh!”も棒読みで「おー」ではなく「オ~ゥ!」です!うまく歌えると、本当にアリエルになったようでとても楽しかったのを覚えています。また、この”What do you call them(単数ならit)?”は、名前が思い出せない時に「あれ、なんて言うんだっけ…」とつぶやく時の定型フレーズです。なかなか名前が出てこない経験は特に年を取ると多くなりますが、そのまま覚えておくと、とっさの時にも使えますよ。

【次回】 ②好きな洋楽で楽しく

 

藤田 彩乃さん

◆藤田 彩乃 (ふじた・あやの)◆

通訳・翻訳者、英語講師。

富山市出身。日本映像翻訳アカデミー(東京)の映像翻訳ディレクターとして、映画や海外番組の字幕や吹き替えを手掛けた後、米ロサンゼルスに8年滞在し、子会社の設立と運営を指揮した。現在はアメリカ人の夫とともに富山市で英会話スクールを運営。3歳と0歳の娘がいる。