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子どものネット依存(6)予防と対策

 

親の行動が影響



 最終回は、私が行った研究を報告します。今日は子どものみなさんよりも、保護者の方に読んでほしい内容かもしれません。

 私の所属する講座では生活習慣病に関する研究を行っています。2014年度の文部科学省スーパー食育スクール事業に参加し、その中で高岡市内の小学生約2000人を対象にメディア利用を含めた生活習慣について調査しました。また、保護者の生活習慣も同時に調べました。

【1割が平日3時間以上】
 その結果、メディアの利用時間について全体の4割が平日2時間以上と答え、約1割は3時間以上と答えました。この3時間以上の子どもは「日中ねむい」、「学校の勉強がわからない」、「学校に行きたくないとよく思う」と答える割合が3時間未満の子どもに比べて高率でした。また、「家族との会話がほぼない」「お手伝いを全くしない」と答える子どもも多くみられました。

 ここで数学的モデルを用いた分析を行いました。これはアンケートの結果を数字に変えて、子どもの長時間のメディア利用が他の乱れた生活習慣や家庭環境とどう関係しているかを数字(オッズ比)で表す分析です。



 結果の図を見てください。1番強い関係が見られたのは「母親のネット時間が2時間以上(平日自宅)」、2番目が「家庭内でのルールがない」、3番目が「父親のネット時間が2時間以上」でした。子どもの悪い生活習慣「朝食の欠食、夜更かし、運動不足」は6番目以降です。

 子どもの生活習慣を正してメディア時間を減らそうという考えは間違いではないのですが、この方法は6番目以降に有効だということです。もっと有効な方法は、親のネット時間を減らす、家庭でルールを決めるといった親の行動と意識でした。

【会話を増やそう】
 みなさんのご家庭はいかがでしょうか? 大人にとってもネットはよい気分転換になります。しかし、大人も子どもも長時間の利用は体にも生活にもよくありません。今日までの6回シリーズでお話ししたネット依存症のことを家族で共有してください。減ったネット時間の代わりに親子の会話が増え、ネット依存症になる子どもが一人でも減ることを願っています。(富山大大学院医学薬学研究部疫学・健康政策学講座助教 山田正明)
=おわり

◆プロフィル◆


 やまだ・まさあき 1978年生まれ。富山医科薬科大医学科卒業。社会医学系専門医協会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医。2014年から現職。専門は生活習慣病や医療制度など。趣味はサウナ、旅行、英会話。

2019年1月22日北日本新聞ぶんぶんジュニア面・webunより