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潜在待機児童190人 富山市

 富山市内で希望する保育施設に入所できなかった子どもが、2018年4月時点で約190人に上ることが分かった。市全体では施設の受け入れ人数は足りているものの、入所希望が多い一方で比較的定員が少ない旧市部の中心部などで自宅や職場周辺の施設に空きがないケースが多いためだ。待機児童ゼロとされる県内でも、こうした「潜在的待機児童」は発生しており、仕事への復帰が遅れ、生活に不安を抱える保護者も少なくない。市は旧市部を中心に定員枠を広げるなど対策を進めているが、追い付いていないのが実情だ。(報道センター・青山晃太朗)

旧市部 満員多く

 富山市こども支援課によると市内の保育園や認定こども園、小規模園などは計106カ所。4月1日時点の定員1万2315人に対し、入所者数は1万863人だった。年度替わりの4月は定員に空きが出やすく、1400人以上の余裕があった一方で、入所待ちも約190人いた。
 同課によると、旧市部の中心部や南部、東部で慢性的に主にゼロ歳児を受け入れにくい状態となっている。担当者は「特定の園や地区にこだわらずに探してほしい」と話す。

保護者 自宅・職場近く希望

 同市南部の30代女性は10月から、1歳の三男を預ける予定だった。7月から準備し、自宅や職場周辺の7園に希望を出したが、いずれも満員で断られた。北部の海岸沿いで空きのある園を紹介されたが、生活圏内から外れ利用しにくいため入所に至らなかった。「子どもと長く過ごせるのは良いが、生活のこともあり、園が決まらず働けないのは不安だ」と肩を落とす。

 市は定員を超える申し込みがあった施設では、労働時間や介護の有無などの家庭状況を点数化し、高い人が入ることのできる制度としている。フルタイム勤務のこの女性の場合、比較的高い15点だった。市内には1桁の点数で入所できた園もあったが、女性の希望と合わなかった。
 市東部の30代女性は、10月から長男を預けようと5園に申請したが満員のため断られ、12月にようやく預けることができた。その間、仕事に復帰したが、自身の両親も働いているため、託児所に預ける日もあり、「金銭的な負担が重かった」と言う。

市 定員増 追い付かず

 同市新富町1丁目のCiC4階にある市子育て支援センターには、多くの親子が子育て相談や、子どもを遊ばせるために訪れる。子どもを預ける施設が決まらない保護者が相談しに来ることもあるという。

 市も受け皿を増やす努力をしている。老朽化した保育所の建て替えに合わせて定員を増やしているほか、幼稚園の認定こども園への転換を推進。2017~18年度は市全体の定員を千人増やした。来年度以降も幼稚園から認定こども園への移行を見込んでいる。
 途中入所に対応するため保育士を増やす園に対し、人件費を補助する制度も設けている。ただ、保育士が折よく見つからないことも多く、市は保育人材の確保も含め「支援を続けたい」としている。

 

◆潜在的待機児童◆
子育て問題を管轄する厚生労働省は、保育所へ入所申請しているが入所できない状態にある児童を待機児童としている。一方、認可外施設に通っている場合や、特定の施設を希望する場合は待機児童としない。厚労省は待機児童数として計上しないが、保育施設に預け入れることができないケースを「潜在的待機児童」「隠れ待機児童」と呼ぶ。

2018年12月28日北日本新聞・webunより