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妻がゲームばかりしている  【よろずご指南 生き方アドバイス】

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【相談】
わが家は4人家族で、日中、私は仕事、子供たちは学校に行き、妻は家事をしています。家事といっても洗濯や料理などの最低限のことをこなした空き時間は、ずっとゲームをしているようなのです。子供たちは時間を決めてゲームをしているのですが、妻は時間を決めていません。子供たちが勉強している部屋で、普通にゲームをしていますし、寝ている子供の横でゲームをしているので影響が心配です。自分のしていることが正しいと信じ、そして彼女の唯一の楽しみなので、強く言えません。私もイライラしてしまいますし、子供たちへの良い見本となるような行動をとってもらいたいのですが、どうすればいいでしょうか。(県東部、40代会社員)



【回答】アイ・クリニック院長・精神科医吉本博昭さん(富山市)
■思い 率直に伝えて
妻がゲームにはまってしまい、子供の影響を含めて、今後のことが心配で、何か良い対策がないかというご質問だと思います。

世の中ではカジノ法案が通過し、入場料金が議論されたりしており、パチンコ依存やゲーム依存が注目されています。これらの依存は行為の依存と言われ、アルコールや薬物への依存は物への依存とされ、区別されています。

どちらにも共通しているのは「日常生活に支障をきたしているにもかかわらず、アルコールや薬物、ギャンブル、ゲームなどにのめり込み、やめようと思うがやめられないなど、どうにもならない状態」です。奥様の場合、ゲーム依存症またはゲーム障害という病気の可能性もあります。

■母親放棄に近い
相談の内容から検討してみますと、最低限の家事以外はゲームをしておられ、のめり込み行為を認めます。普通のサラリーマンであればとっくに会社は首になっていることと思います。さらに気になるのは、子供にゲームの時間制限をしながら、親の特権?でいつまでも、子供が勉強している横でも、寝ている枕元でもゲームにはまっておられる点です。以前は母親としての責任や義務を果たしておられたからこそ、あなたは現状に困惑しておられるのだと想像します。まさに、母親放棄に近い状態で、日常生活に支障をきたしています。

奥様の場合、やめようと思うがやめられないのか、その気になればやめることができるのかについて文面からはっきりしません。昔、クレージーキャッツの一員であった植木等が歌って一世を風靡(ふうび)した「スーダラ節」という曲がありました。歌詞の最後のフレーズは「わかっちゃいるけどやめられない」。まさに依存症の歌です。このフレーズが奥様に当てはまればゲーム依存症の診断がくだされます。

では、あなたは何を実行したらよいでしょうか。提案は、この問題からあなた自身が逃げたり、避けたりすることをやめ、奥様にあなたの心配していることを率直に告げることです。一般的に「直面化」という方法です。

告げられると、奥様がうすうす問題意識を持っておられれば、ゲーム時間をコントロールできない事実に対して怖くて避けていた点について意識化しなければならなくなります。ゲームをすることやめたり、子供さんと同じように時間をコントロールしたり努力されるかもしれません。

一方、依存症であれば、「否認」という防衛機制が働き「自分は病気でなくて普通にゲームをしているだけで、いつでもやめることができる」などと言われることがあります。やめると宣言されたとしても事態は変わらず、相変わらずのめりこんだままで、行為をコントロールできない状況が続きます。

■医療機関受診を
前者であれば、あまり心配いりません。後者であれば、何度もコントロールすることを誓われても、ことごとく裏切られるでしょう。これは意志が弱いのでなく病気だからです。すぐに、依存症を専門にする医療機関の門をたたくことをお勧めします。奥様が受診を拒否されたら、家族が受診されるとよいです。

最後にお伝えしたいことがあります。依存症からの回復は、奥様だけでなく、家族が幸せになれる。依存症はそんな病気です。

◆相談募集◆
老いや病気への不安、家族や人間関係で悩んでいることをお寄せください。400字以内にまとめ、氏名、住所、電話番号、年齢、職業を明記の上、郵便番号930-0094、富山市安住町2の14、北日本新聞社文化部「生き方アドバイス」係へ。メールの場合はbunka1@ma.kitanippon.co.jpまで。掲載時は匿名となります。採用された人には図書カード。

4月25日北日本新聞・webunより