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第8波に備えよう!富山県新型コロナ陽性者登録センターって何?感染した記者が登録してみました

「富山県新型コロナ陽性者登録センター」を知っていますか?自宅療養したコノコト編集室の記者が実際に登録してみたので、登録する目的や手順をお伝えします。過去最大規模の流行も懸念される第8波に備えましょう。

「とうとう来たか」。子どもの陽性が判明して2日後の朝、記者の検査キットに、うっすらと陽性のラインが出現しました。看病にあたり、基本的な感染対策はしていましたが、発熱した子どもを別室に隔離し一人で寝かせておくことは心配でできなかったので、「やっぱりうつったか…」という思いと「これで感染リスクを気にせず看病ができる」と半分ほっとしたというのが正直なところでした。子どもが感染した場合、家庭内感染を完全に阻止するのは極めて難しい、というのが実感です。

うっすらと現れた陽性のTラインに目を凝らした。この後、日増しにラインは濃くなった


その時点では、記者はまだ平熱で、体の不調も特に感じませんでした。自宅に解熱剤の買い置きもあったため、医療機関にかかる必要はないと判断し、自宅療養を選択しました。そこで、ふと思い出したのが新聞で知った「富山県新型コロナ陽性者登録センター」の存在。たしかスマホで登録できるはずだ。登録したらどうなるのだろう?登録せずに自宅で黙って療養していたら何か不都合があるのだろうか?という疑問を持ったまま、とりあえず登録することにしました。

スマホで検査キットを撮影

陽性者登録センターは、医療機関を受診せず自宅療養が可能な人がウェブサイトから自ら新型コロナの「陽性者」として、県に申請・登録する仕組みです。医療機関の負担軽減を目的に県が8月に開設しました。

まずは富山県新型コロナ陽性者登録センターのサイトで自分が対象者かどうかを確認しました。すべての条件を満たしていたので、サイトの指示通り、陽性を示すラインが出た検査キットの実物と本人確認書類(記者は運転免許証にしました)をスマホで撮影して申請しました。

その際、使用した検査キットが国に承認された体外診断用医薬品かどうかを確認するため品目名などの情報の入力が必要でした。箱や説明書は捨てないでくださいね。申請自体は簡単に終了しました。

その後しばらくして「陽性者登録を受け付けました。医師が確認し、2日以内にメールが届きます」とセンターからメールが届き、翌日、「診断結果:陽性」というメールが届きました。

左が申請時に送られてきたメール、右が陽性の診断結果を伝えるメールのスクリーンショット(いずれも一部)を加工

メールには富山県健康フォローアップセンターの連絡先や療養期間のカウントの仕方を説明する図解などの資料も添付されていました。資料で療養期間を確認し、勤務先の上司に感染報告と休み期間の連絡を入れました。

療養中、記者は38度台後半の熱と関節痛があったものの手持ちの解熱剤の服用や経口補水液でしのぐことができました。ですが、喉が痛くなったり咳が出たりという症状が日によってコロコロ変わり、「いつどうなるか分からない」という不安は常にありました。

子どもは対象外

その後、体調が回復して勤務に復帰したので、療養中に疑問を感じた陽性者登録センターについて調べてみることにしました。(※軽く書いていますが、復帰当初は出勤自体がつらく、在宅勤務からスタートさせてもらいました。)

センターに登録できる対象者は18歳以上64歳以下の軽症または無症状者であること、自宅療養が可能なこと―などの条件があります。子どもや妊娠中のママは利用できません。ウェブサイトの記載をよく確認してください。記者も、子どもが発熱し検査キットで陽性が出た時点で、かかりつけの小児科に連絡し、指示を仰ぎました。

「18歳以上64歳以下」「重症化リスク因子が二つ以上ない」など対象者の要件が複数あります。県のサイトで確認してください

実際に登録する人は非常に少ないのが現状です。11月8日に発表された県内の新規感染者959人のうち登録者は55人にとどまります。そもそも登録できない年齢層の感染者も含めて、55人以外の人はみんな医療機関を受診しているということを示しています。

医療機関を受診したのと同じ扱い

医療機関を受診しない選択をした場合、陽性者登録センターに登録するのはなぜか。登録せず密かに自宅で寝ているだけではだめなのでしょうか。富山県健康対策室感染症対策課に聞きました。

回答はとてもシンプルで、登録するのは、社会生活において、医療機関を受診して医師から陽性の診断を受けたのと同じ扱いを受けられるようにするためです。「センターに登録」=「医療機関を受診して陽性の診断を受ける」です。

例えば、自宅療養中に急変し、医療機関を受診する緊急事態になったときに、センターからの陽性診断メールを提示することで、コロナ検査から始めるのではなく、すぐに陽性者としての治療を受けることができます。また、必要に応じて勤務先への証明にも使用できます。近くに家族や知人がいない人がどうしても食料などに困って行政に支援を求めたいときに、厚生センターや保健所に登録情報がなければスムーズに対応できない恐れもあるそうです。

ただし、センターに登録しても薬の処方は受けられません。注意してください。

県内でもまた感染者数が増加しています。もし第8波で大規模な流行が起きれば、医療がひっ迫する恐れもあります。陽性者登録センターへの登録は、法的な義務ではありませんが、医療機関を受診せず自身の判断で自宅療養を選択される際は、万一の急変など想定外の事態に備え、行政に自分の情報を登録しておくのがよさそうです。

コロナは突然やってくる

感染騒動は、本当にある日突然、家族を襲います。日頃から「明日は我が身」と思っていても、当事者になると動揺します。いざという時にどう行動するか、家族で相談しシミュレーションしておくことをおすすめします。国が承認した検査キットと解熱剤など必要なものの確認と備蓄をお忘れなく!

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