マラソン大迫傑さんが富山の子どもたちに語ったこと
- 2021.09.17
- エッセイ・インタビュー
- スポーツ
これまで挑戦することで得てきたことを、子どもたちに伝えたい-。東京五輪男子マラソンで6位入賞した大迫傑さんは、そんな熱い思いから、五輪が終わって間もない8月末から、小中学生を対象にしたプロジェクト「シュガーエリートキッズ」をスタートしました。全国10カ所を巡る予定で、その第1回目が富山で開かれました。
小中学生60人がオンラインで参加
新型コロナウイルスの感染拡大を受けオンライン開催となりましたが、大迫さんは富山の会場から生発信し、県内の小中学生60人が参加しました。
前半は、実際に体を動かしながら、股関節の動きを良くするストレッチやトレーニング法を指導。「家でもできるので、チームのみんなから見えないところでコソ練してみて」などと話しながら、和やかな雰囲気で一緒に体を動かしました。
どんな夢を持っても自由
後半は「夢をかなえるための考え方」をテーマにしたトークセッションです。「夢って何からできている?」と問いかけると、参加者からは「憧れ」や「好きなこと」と返ってきました。
大迫さんは「夢は自由。もし周囲から『なれるわけない』『生活できない』と言われても気にしないで」と強調します。
さらに夢をかなえるための考え方として、夢に向かって今日やる事、明日やる事、来週やる事…というように、具体的にやるべき目標と行動を設定し、一つずつやっていくようアドバイスしました。
クリアできなくても、その悔しさが成長に
大迫さん自身も「東京五輪でメダル」という夢に向かって「アメリカ行き」→「トラックのスピードを上げる」→「リオ五輪入賞」…などの目標を決めて進んできたことを話します。
「目標を達成することは大事だけれど、そこに向かって頑張ることが非常に重要。達成できなければ、悔しいという思いを持って、絶対に次の目標をクリアしてやろうという気持ちになる。その結果、人間として成長することができる」と語りました。
最後に質疑応答の時間もありました。小学生からの「試合で自分の力を出すには?」という質問には「緊張しているなら、自分で『俺緊張してるな。いつも通りのことしよう』などと口に出して自分に言い聞かせてみて。冷静になれます」とアドバイス。そのほかの質問にも丁寧に答えていました。
【次回】大迫傑さんインタビュー(上) 子どものころの大迫さんは?
大迫傑(おおさこ・すぐる) 中学校で本格的に陸上を始め、佐久長聖高校から早稲田大へ。卒業後は日清食品グループ、ナイキ・オレゴン・プロジェクトを経てナイキ所属のプロランナーとして活動。2018年シカゴマラソン、2020年東京マラソンで日本新記録(当時)を2度更新。東京都出身、30歳。