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④医療事務 岩城望さん【悩めるワーママ わたしの選択】

子育てもしたい、でも仕事も、自分の夢もあきらめたくない。
悩みながら1歩を踏み出したワーママ(ワーキングママ)たちを取材します。

一人で抱え込まない、周りに頼る大切さ子育てから学んだ

 口癖のように「お互いさま」という言葉が出る。滑川市の医療事務、岩城望さん(37)は夫と小学2年生の娘、保育園児の息子との4人家族。「ずっとフルタイムで働いているので、家事は夫と手分けしてやっています。お互いに自分の時間を毎日作るし、友だちと旅行にも行きます。お互いさまです」。自身は、子どもを寝かしつけた後、ビールを飲みながらテレビドラマを見るのが至福のひと時と言い、夫も最近始めたスケートボードの練習に励む。互いに好きなことを尊重し合うことが夫婦円満の秘けつ。「お互いさま」だと思えば、「してあげたのに」という感情のもつれが生まれないという。

 幼いころ、行きつけの病院の受け付けをしていた女性が優しくてきれいだったー。そんな思い出がきっかけとなり、医療事務を志した。滑川高校から金沢市の専門学校に進み、医療事務の資格を取得。総合病院やクリニックを経て、12年前から富山市のクリニックで働いている。

 27歳で高校時代から付き合っていた夫と結婚した。共働きの新婚生活は、帰宅後に料理を作ったり、洗濯をしたり、家事と仕事の両立の大変さを実感する日々だった。翌年、長女を授かり、出産・育児休暇を取得。職場復帰する日が近づくにつれて、不安が募った。「子育て・家事・仕事。本当にやっていけるのか、もう怖くて怖くて」

 復帰すると、想像通り大変な日々が始まった。睡眠時間を削って何とかやるべきことを終える毎日に、心にも体にも疲れていく。そんな時、夫と義母が手を差し伸べてくれた。夫が子どもを連れて実家に泊まりに行く週末を、時々設けてくれたのだった。

 ゆっくり眠り、友人と食事にも出掛けた。義母の協力は本当にありがたく「おばあちゃんは神ですよ」と微笑む。31歳で長男を授かった時は、妊娠中のつわりがひどく、買い物に行かないで済むよう食材の配達サービスを活用し、夫にも家事をしてもらった。「今振り返ると、1人で抱え込まず周りの人に頼ることの大切さを、子育てを通して学んだのだと思います」と話す。

 結婚して約10年になるが、けんかはほとんどしない。言いたいことはため込まずに、率直に伝えている。家族がストレスを感じないように自然とできたゆるやかなルールもある。例えば、朝ご飯は夫婦2人で食べる。これは結婚当初からの習慣で、朝5時半に起床し、子どもを起こす7時までが夫婦の時間。弁当は前日の夜に作っておき、のんびりと会話をしながら過ごす。夕飯を作っている間は、子どもたちのゲームタイムに。料理に集中できる上、子どもたちも遊んで夕飯を待てるので一石二鳥だ。夫が「浴室の壁を磨いた」と言えば、岩城さんは「じゃあ私は床を磨くね」と応え、手分けして家事をこなす。

 夫とは子育てについてもよく話す。「子どもたちは小さい学校で育つけれど、世界は広い。自分の好きなことを見つけていろんなことにチャレンジさせてあげたい」というのが、夫婦共通の思いだ。岩城さんは子どもの頃にダンサーに憧れていたといい、娘もダンスを習っている。「今は趣味に時間を使うことはできないけれど、いつか私もダンスを習って、娘と一緒に踊りたい」と目を輝かせる。「もっと先の夢は、自分の時間を大切にしながら、孫の面倒を見つつ、夫とのんびり過ごすことかな」