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授業動画「おっぱっぴー小学校」はピンチがきっかけ?! お笑い芸人 小島よしおさんインタビュー(上)

海水パンツ一丁で「そんなの関係ねぇ!」を連呼するネタでブレークしたお笑い芸人、小島よしおさん。新型コロナ下で始めたユーチューブ「おっぱっぴー小学校」の授業動画が、分かりやすく面白いと注目を集め、チャンネル登録者数は10万人に達しました。実は早稲田大教育学部の出身で、教えるのが好き、勉強も嫌いじゃないという一面も。インタビュー前半では、動画に込める思いや授業の工夫、これまでの人生を振り返り、進路に悩んだ時の考え方などを聞きました。後半は後日、公開します。(聞き手:コノコト編集室)

―「おっぱっぴー小学校」では、算数の授業を中心に配信しています。時計の読み方や九九、割り算の筆算など、親からすれば「覚えるしかない」と思うような難しいテーマを扱っています。

作家さんとディレクター、監修の方でチームを作り、アイデアを出し合って構成や表現を考えています。こだわっているのは、分かりやすく楽しいこと、そして視覚的に動きを出すことです。言葉だけでは理解が難しそうなことは、自分が動いたり、人形を使ったり、絵を使ったりして伝えています。

「算数は、生活で使える身近なもの」と感じてもらうことも心掛けています。例えば、割り切れる整数を意味する「約数」の授業では、1枚の板チョコをパーティーでけんかせずに分けるには…というストーリーで解説しました。正直、自分も子どものころ、約数は暗記しただけだったので、動画を作りながら「そういうことだったのか」と学び直している感じです。

-授業動画を配信するきっかけは?

新型コロナウイルスの感染拡大で、ライブなどの仕事がなくなったことです。以前から、ピンチの時には、とにかく動くことを心掛けてきました。運を動かすと書いて「運動」と書きますが、物理的に体を動かす、部屋の物を動かす、考えを動かす、何でもいいので動かすと、潮目が変わって何かが動き出すんです。

それで1回目の緊急事態宣言が出た2020年3月から、〝無観客営業〟として、これまでも営業活動でやっていた子ども向けのネタをYouTubeで生配信し始めました。視聴者が1桁しかなかった回もありましたが、1カ月で10回以上やりましたね。そしたらその動画を見ていた知り合いの作家さんから、「授業の動画をやってみない?」という話が舞い込んできたんです。そうして「おっぱっぴー学校」が誕生しました。

ー大学で教育学を学んだこと、お笑い芸人になって子どものネタをたくさん持っていたこと、すべてがこの動画につながったんですね。今となっては良かったと思えますが、早稲田大を卒業して芸人になるという決断はなかなか難しかったのでは。

子どものころから目立ちたがり屋で、小学校の帰りの会とか、野球部の合宿でコントをやったりはしていましたが、仕事として考えるようになったのは大学でお笑いサークルに入ってから。コントグループのネタを書く人がすごく上手で、その通りにしゃべっていたらうウケたんです。それで1年生の終わりごろ、事務所にスカウトされて、舞台に立つようになりました。

でも卒業間近でグループが解散し、事務所も出ることになって。冷静に考えれば、面白い台本もなく、1人で何ができるんだっていう感じなのに、「ピン芸人でやっていこう」と決めたんですよね。

―ご両親は反対されたのでは?

父親は部屋に「ロマンを持て」と書いた紙を貼るような人で、本人も好き勝手やっていたので、僕にも「好きにやれ」って言ってくれましたが、母親は大反対です。当然ですよね。でもやっぱり「楽しい」と思えるほうを選びました。

当時よくしてもらっていた芸人の先輩がいて、一緒にいるのがすごく楽しかったんです。自分が何かやると笑ってくれて「ピン芸人でもやっていける」と勘違いしたんですよね。ネタもない、集客力もない。根拠はないけど「絶対売れるぞ」と、あえて自分で口に出して言っていました。そんな感じで先輩たちと遊んでいるときに生まれたのが「そんなの関係ねぇ!」のネタでした。
 

―その後も「そんなの関係ねぇ」のネタを貫き通して活動を続け、コロナをきっかけに、再び注目を集めています。正直、今回は小島さんの印象がちょっと変わりました。

周囲の反応の変化には、僕も驚いています。これまでのライブ動画はPTAで禁止されるほうでした。それが最近は「先生のおすすめの動画」みたいに言われたり。僕自身は大きく変わっていなくて、服を着たぐらい。想像もしていない方向に展開しています。

今回もそうでしたが、自分で意気込んでやり始めたことはうまくいかず、声を掛けてもらってやってみたらうまく行く。周りに導いてもらっている感じがします。

―新しい生活が始まる春は、自分の将来について改めて考える時期です。進路について、何をしたらいいのか悩んでいるという小中学生にアドバイスをお願いします。

僕も小中学生の時は「プロ野球選手になりたい」とは言いながらも、ちょっと現実的ではなくて「実際に何がやりたいんだろう」と思っていました。でも好奇心は旺盛で、水泳、書道、柔道、野球、英会話などいろいろ習わせてもらって、通信教育も始めてはやめてを5回ぐらい繰り返しました。でも結局、続いたのは野球だけで、やっぱり楽しかったから。

今になって思うのは、無駄なことは何もないし、何にでもなれる。まずは動いてみて、その中で本当に楽しいこと、夢中になれるものを見つけてほしいと思います。

インタビュー後半はこちら。

授業で登場するイコールマン姿の小島さん

プロフィル
1980年生まれ、沖縄県出身。早稲田大教育学部卒。大学在学中にコントグループとしてデビューし、2006年からピン芸人として活動。2007年に「そんなの関係ねぇ」が『ユーキャン新語・流行語大賞』にトップ10入り。2020年4月からユーチューブで「おっぱっぴー小学校」の配信を始めた。