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②両親と同居する自宅をリフォームするなら…【知らないと損する⁉ 司法書士に学ぶ賢い家づくり】

人生で最も大きな買い物といえばマイホーム。ほとんどの人は初めての経験となるため、「こんなところでこんな手続きとお金が必要?」「こんな法律があったの!」と驚きの連続です。「もっとお得に購入できたのに…」と後悔しないために、司法書士の猪島隆雄さんに、さまざまな事例から賢い家づくりを学びます。

名義変更に注意

今回のテーマは、リフォームです。ご実家のご両親と同居されている方は、新築を近くに建てるか、近くに中古物件を見つけるか、又はご実家を立て替えるか、さらにはリフォーム、増築をするか…いくつかの選択肢があると思います。どれも一長一短ですが、増築込みのリフォームを選択される方も非常に多いことから、この手続きでの注意点をご紹介したいと思います。

今回出てくる用語

相続→所有者の方が、死亡して配偶者やお子さんに財産を承継
贈与→所有者が生前に、配偶者やお子さんに財産を譲渡

 

上の二つは、似ているようで、全く違う法律用語です。相続は、死亡してからの手続き、贈与は、生きている間に行う手続きです。この用語は、これから不動産購入を考えておられる方はよく耳にする言葉ですので、ぜひ覚えていただきたいと思います。

リフォームを決めたら、工務店との打ち合わせが始まります。さらに銀行で借り入れをするのであれば、銀行に申し込まなければなりません。ここまでは、皆さん当然のこととして手続きをすると思いますが、不動産の名義がどうなっているか、どうなっていなければならないかまで考える方は少ないように思います。初めてのことなので仕方のないことですが、名義変更が必要な場合があります。

事例)両親と同居するAさん夫婦は、Aさんが銀行で借り入れを行いリフォームすることにしました。家の名義は、Aさんの亡くなった祖父名義になっています。

 

まず、相続の手続きを行い、家の名義を父親名義にする必要があります。この手続きには2~4週間、場合によっては、1カ月以上かかることもあります。市役所で戸籍を集めたり、親族からハンコをもらったりする必要があります。

無事、相続手続きを行い、名義が父親名義になったら、今度は息子さんに一部でも持分を持っていただく必要があります。理由として第1に銀行で借り入れする場合、名義が入っていることが要件となるため、第2に住宅ローン控除(10年間所得税の一部が戻る制度)の適用を受けるには、リフォーム着工前に家の名義を一部でも息子さん名義になっていなくてはならないからです。住宅ローン控除の詳細な要件は、実際にお手続きの時に税務署等でご相談してください。

〈ポイント〉
①銀行で借り入れをする人が、一部(又は全部)でも名義を入れる。
②リフォーム着工前(請負契約前)に名義変更をする。

過去にお客様で、この点を知らずにリフォームしてしまい10年間の住宅ローン控除を受けられない方が何人もおられました。名義変更をしていれば、200万円を受け取れたというケースもありましたので、注意してください。

ちなみに、この後には、登記の床面積の修正や、父親、息子の持分を贈与税がかからないよう修正する手続きも必要になります。登記の手続き費用は、50万円を超えることもあります。リフォーム資金とは別にかかる費用として、計画していただくのがよいと思います。

次回は、農地に家を建てる際の注意点です。

 

猪島 隆雄(いのしま・たかお)

司法書士法人谷道事務所 富山店の店長。相続、贈与、売買等を中心に、富山県全域において相談や登記手続きを行っている。司法書士、土地家屋調査士、行政書士。