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① 身内からお金を援助してもらえると提案されたけど・・・【知らないと損する⁉ 司法書士に学ぶ賢い家づくり】

人生で最も大きな買い物といえばマイホーム。ほとんどの人は初めての経験となるため、「こんなところでこんな手続きとお金が必要?」「こんな法律があったの!」と驚きの連続です。「もっとお得に購入できたのに…」と後悔しないために、司法書士の猪島隆雄さんに、さまざまな事例から賢い家づくりを学びます。

知らないと怖い贈与

 住宅購入を考え始めると、新築、建売、中古住宅にかかわらず、ハウスメーカーや仲介業者、銀行、税理士など、様々な業者や専門家と関わることになります。中でも私たち司法書士は、土地や建物を取得する際に登場し、相続や贈与、成年後見人等に関わる仕事、不動産を購入された方の名義変更を行っています。今回は贈与についてご説明します。 

 最近は、ご両親からお金の援助をしてもらい家を購入するケースや、土地をもらって新築するケースが非常に増えています。そして大多数の方が、家族からもらった現金、不動産に、税金がかかるケースがあることを知らず、税務署等で確認し「そんなにかかるんですか?」と驚かれます。

贈与税は、税金の中でもかなり高い税率となっており、場合によっては、数百万円なんてことがあります。財産をもらったり、あげたりする場合は、事前に必ず税務署や税理士さんに相談しましょう。

事例1)自宅を新築する際、父から現金500万円を援助してもらう予定です。また土地を祖父からもらい受けます。何か手続きが必要でしょうか?


→何の手続きもしなければ、土地も含めて数百万円の贈与税がかかるかもしれないケースですが、非課税の特例や相続時精算課税という制度を使い、贈与税をゼロにできる可能性があります。
 

事例2)結婚5年目。妻が現金400万円、私(夫)が現金500万円を出し、マイホームを購入しました。私(夫)の名義にするつもりですが、何か問題はありますか?


→夫婦であったとしても、基礎控除(110万円)を超える贈与があった場合、贈与税がかかります。夫のみの名義にした場合、奥さんの現金400万円を夫に贈与したことになるためです。贈与とならないよう、夫婦の共同名義にすべきです。ちなみに、このケースで夫のみの名義にすると34万円程度の贈与税が考えられます。ただ婚姻期間20年以上の配偶者から、居住用不動産における贈与を受けた場合、配偶者控除という制度を使うことができます。
 

事例3)高齢の祖父から土地をもらうことになったので、土地の名義変更を依頼したいと思います。


→事例1と同じように贈与税に関しては、相続時精算課税制度が使えるかどうかを考えましょう。さらに、祖父の意思や判断能力にも注意が必要です。贈与手続きをする際、贈与者が認知症になっていて、自分の生年月日や住所が言えない、孫のことが分からないということがあれば、判断能力がないと考えられるため、贈与や売買は原則できません(成年後見等の手続きをした上で、できる場合もあります)。もらうなら、贈与者が元気なうちに手続きをしましょう。

【次回】②自宅をリフォームするなら、名義に注意!

猪島さん

猪島 隆雄(いのしま・たかお)

司法書士法人谷道事務所 富山店の店長。相続、贈与、売買等を中心に、富山県全域において相談や登記手続きを行っている。司法書士、土地家屋調査士、行政書士。