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医師の登校許可が不要 インフル治癒証明に変化

インフルエンザにかかった児童生徒が登校を再開する際、学校が提出を求めていた医師の「登校許可証明書」が本年度、県内の多くの小中高校で廃止され、保護者記入の「治癒報告書」に切り替わった。書類をもらうために治った後で再受診する必要がなくなり、保護者と医療機関ともに負担軽減につながる。保護者の自己申告となるため、各教委は「学校で感染が広がらないよう出席停止期間を理解し、しっかり守ってほしい」としている。(社会部・室利枝)

保護者の負担軽減 再受診せず自己申告

 学校保健安全法の施行規則は、インフルエンザの出席停止期間の基準を「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」としている。県内の学校現場では、感染拡大を防ぐため、登校再開にあたっては医師が記入した登校許可証明書の提出を求めていた。

 ただ、医師の証明書提出に法的根拠はなく、治った後に来院することで別の病気に感染するリスクも指摘されていた。県教委によると、厚生労働省が2018年11月に「学校から一律に求める必要はない」との見解を示し、証明書不要は全国的な流れとなっている。

 県教委も県医師会と協議し、本年度から医師の登校許可証明書は求めず、代わりに保護者に治癒報告書を提出してもらうことを決定。流行開始に合わせ、県立高校43校、特別支援学校13校で運用を始めた。

 多くの市町村教委も足並みをそろえる。北日本新聞の調べでは射水市を除く14市町村が本年度から運用開始。射水市教委は「保護者に対し、十分な周知期間が必要」との理由で、来年4月の実施を予定する。

 公立や私立の幼稚園、保育園、認定こども園は、自治体や設置者によっては引き続き医師の証明書を必要とする所もある。

保護者が記入するインフルエンザ治癒報告書。自治体や学校によって様式は異なり、医師が記入する項目のある様式もある

 保護者からは歓迎の声が上がる。富山市内の小学校と保育園に子どもを通わせる女性会社員(36)は「菌やウイルスがまん延している医療機関に出向き、新たな病気をもらう心配がなくなる」と話す。同市内の別の女性会社員(45)は「書類をもらいに行くために仕事を休まなくてもよくなるのは助かる」と言う。

 新たに導入される治癒証明書は診断名や受診日のほか、発症日や解熱日などの経過を記入。出席停止期間を過ぎた日から登校してもらう。

 保護者の自己申告となるため、県教委保健体育課は「感染を広げないため、出席停止期間を守ってもらいたい」と強調する。

 県医師会副会長を務める村上美也子むらかみ小児科アレルギークリニック院長(富山市)は「インフルエンザは熱が下がっても感染力はある。症状や経過によっては再受診も必要で、医療機関側も診断の際にしっかりと保護者に説明したい」としている。

2019年12月1日北日本新聞・webunより