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「ひといちばい敏感な親子HSC&HSPへのハッピーアドバイス」明橋先生の子育て相談室

ひといちばい敏感な人(HSP)、ひといちばい敏感な子(HSC)は、5人に1人という割合でいると言われます。ただその性質を知らなかったり、正しく理解していないために、生きづらさを感じていたり、子育てに悩んでいたりする方がたくさんおられます。

東京で開催されたトークイベント「ひといちばい敏感な親子(HSC・HSP)へのハッピーアドバイス~自己肯定感を育み、幸せに生きるために大切なこと」(1万年堂出版主催)では、HSC・HSPの国内第一人者、真生会富山病院心療内科部長で「子育てハッピーアドバイス」シリーズ著者の明橋大二先生が、HSCの育て方や特徴を分かりやすくお話されました。一部をご紹介します。


HSCと発達障害は違います
HSC(Highly Sensitive Child=ひといちばい敏感な子)は、発達障害とは違います。
感覚的に敏感なところは似ていますが、HSCは人の気持ちをくむことが得意ですが、発達障害は苦手です。この点が大きく異なります。

HSCには4つの特徴(DOES)がある

D(depth)=深く考える

・1を聞いて10を知る。
・大人びたことを言うことがある。
HSCの本質は、感覚的に敏感というよりは、深く考え受け止め処理すること、と考えられています。

O(overstimulation)=過剰に刺激を受けやすい

・一つの刺激でも、100の刺激を受けてしまう。
・注射や雷、暑さが苦手。
・楽しいことでも疲れてしまう。テーマパークにくると夕方には不機嫌になってしまうのは、刺激が多すぎて疲れてしまうため。

E(empathy、emotional)=共感力が高く、感情の反応が強い

・ほかの子が怒られているのを見ると、自分まで怒られているように感じてしまう。
・先生の怒る声が怖くて、教室に入れないことも。
・プラスの方向にも敏感で、感動的な映画を見ただけでとても幸せな気持ちなる。

S(subtlety)=ささいな刺激を察知する

・「ただいま」と帰ってきて、すぐにお母さんの機嫌が悪いかどうかが分かる。
・匂いに敏感。帰ってきた人が、どこで何を食べたかまで分かる。
・物を動かしたり、普段あるものがなかったりすると、すぐに気付く。
この4つの特徴がそろっているのがHSCです。

内向的と思われがちだが3割が外交的
これら4つの特徴だけ見ていると、おとなしい人、内向的な人と思われがちですが、3割は外交的と言われます。
その1つのタイプがHSS(High-Sensation Seeking=刺激探求型)です。好奇心が強く、友達をつくりたい、新しいおもちゃが好きなどの特性が見られます。

育てにくいタイプの子もいます
HSCの中には「育てにくい」と感じる子もいます。特にHSSや、感情反応の強い子は、そう感じることが多いようです。
・ちょっとしたことで傷つき、おおげさに騒ぐ。
・被害妄想が強い。
・かんしゃくが強い。
・文句が多い。
これらの行動に、育てにくさを感じてしまうかもしれませんが、子どもが自分の気持ちを出せている、それだけ安心できる親子の関係ができているとも言えます。
逆に、傷ついていながらそれを出せない子どものほうが心配です。

ニューロダイバーシティという考え方
ニューロダイバーシティとは、神経多様性。生物多様性と同じように、神経の発達にも多様性があるという考え方です。
人にはさまざまな違いがあり、それぞれに役割があります。
エジソンはADHDと言われています。小学生のころから学校に行っていませんでしたが、ほかの人が気付かないことに気が付き、大きな発明を成し遂げました。
そういう多様な人がいることが、社会にはとても大切なのだと思います。

親の関わり方は原因ではなく結果
HSCを育てていると、必ず周りから言われるのが「親が子どもの言いなりになっているから、子どもはわがままになる」という台詞です。
ほとんどの場合は、親が試行錯誤する中で、子どものペースを尊重して、そうなったのです。親の関わり方は、原因ではなく結果です。

HSCは自己肯定感を持ちにくい
すべての子育てにおいて、自己肯定感を育てることはとても大切です。
自己肯定感とは、私は存在価値がある、必要な存在、大切な人間、生きていていい、私は私でいいんだという気持ち。
0~3歳でこの土台がしっかりできれば、3~6歳でしつけ、6歳からの勉強がうまく進みます。
また自分を大事と思えなければ、ほかの人を大切にはできません。

HSCの場合、この自己肯定感を持ちにくいという特徴があります。
理由は以下のことが考えられます。
1、    鉛筆の持ち方を指導しただけで、自己否定されたように思ってしまうほど、しつけの影響を受けやすい。
2、    自分に厳しい。
3、    親のことを考え、悪い子になったら嫌われるとの思いから、手のかからないいい子になってしまう。
4、    集団生活が苦手。

HSCの自己肯定感を育てる6つの方法
 1、子どもを信じる。
 2、共感する。気持ちを理解する。
 3、スモールステップを設け、一つ達成するたびに褒めていく。
 4、心の安全基地、逃げ道を作っておく。
 5、その子のペースを尊重。
 6、子どもは必要以上に心配していることがあるので、大人から見て「できる」と思うときには、少し背中を押してみる。


自己肯定感は親にも大事
そのために心掛けたいことは
1、境界線を引く
人と違う子を育てるときには、人と違う親になる覚悟が必要。
2、自分のことを褒めてくれる人を一人持つ。
 親、夫など身近な人ほどダメ出しするケースが多い。ママ友などから、褒め言葉のシャワーを浴びましょう。
3、自分で自分を褒める。
マイナスの見方も、見方を変えればプラスになります。練習すれば必ずできるようになります。例えば
・挑戦意欲がない→慎重
・子どもに切れてしまう→それだけ子育てを頑張っている など。

HSCは、大事な役割をもって生まれてきました。そんな親子を応援する世の中になればと願っています。

次回はQ&Aをご紹介します