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②幼少期は音楽でリズムに親しむ【英語のある子育て】

通訳・翻訳者として国内外で活躍する藤田彩乃さんが、自らの子ども時代、そして自身の子育てと英語講師としての経験から、子どもが英語を好きになるためのヒントを紹介します。

 リスニング力の向上のためには、日頃から英語の音やリズムに親しむことが大切です。私の場合は、前回紹介したように大好きなディズニー映画の音楽を、役になりきって何度も何度も歌っていましたが、最近は、子ども向けの教材がたくさんそろっています。何がいいのか、迷っておられる方もおられるかもしれませんが、今はインターネットで無料で英語の映像を簡単に視聴できますから、高額な教材を買わなくても、身近にあるものでも十分だと思います。

インターネットをうまく活用

 0~8歳くらいの子どもには、英語の童謡を聞くのもいいでしょう。英語ではNursery Rhymesと言いますが、YouTubeで検索するとたくさんのビデオが出てきますよ。我は家では、スマートフォンを子どもに見せるのは反対なので、インターネットを大きなテレビ画面でつないで見せています。3歳の娘も、お気に入りのYouTubeチャンネルの歌を楽しそうに歌っています。英語の歌は必ず韻を踏んでいるので、英語の音に慣れるのにピッタリですし、ネイティブの子どもたちもNursery Rhymesで英語の音を学んでいます。

 わたしもそうですが、子どものころは単に楽しいから歌っていました。ただ今になって思い返せば、「シャドーイング」と「リプロダクション」を繰り返していたのだと思います。シャドーイングとは影(shadow)のように聞いたことをそのまま繰り返し言ってみる練習法で、音を聞きながら発声します。リプロダクション(reproduction)とは、音声を止めて聞いた内容をまるごと繰り返す練習法で、内容をきちんと理解し、文の構成を意識することにつながります。どちらも通訳の基礎訓練として有名ですが、リスニングとスピーキングの向上に効果があります。

 読み書きは焦らなくて大丈夫

 文法や読み書きについては、幼少期は焦らなくてもよいでしょう。スタートが遅くても大丈夫。最終的には本人の意志でどれだけ英語の学習に時間を費やしたかが大切になります。子どもの頃から英語に触れれば、総じて英語に触れる時間は長くなりますから、その分有利に働くでしょうが、どれだけでも挽回可能です。私も通訳・翻訳業界に長く身を置いていますが、プロとして活躍している通訳者や翻訳者は、帰国子女でもなければ留学経験もない人が多いです。日本で、大きくなってから、自分の意思でしっかり勉強した人が多いのです。

失敗は成功のもと!間違いを恐れず発言しよう

 英語は、一方的な講義スタイルでは身につきません。日本では、中学でも高校でも先生の講義を聞いてばかりで「英語を話す、聞く」という訓練はしてこなかったので、できなくて当たり前です。ピアノや水泳だって、先生からやり方を聞いてずっと見学していたって、上手にならないですよね。英語だって同じです。たくさん発言して、いっぱい間違えて、やっと上手になっていくのです。英語は強弱をはっきりさせる言語です。「アップル」を「ェアポ―」と発音するのは最初は恥ずかしいかもしれませんが、英語というのはそういういうものだと開き直って、英語らしく発音してみてください。

 子どもは、音を聞き分ける力が鋭く、発音をそのまま再現する能力が高いです。子どもの頃は、まずこの英語特有の音やリズムを習得することを目指しましょう。現在私は、大人向けのレッスンも担当していますが、多くの方は英文を読むことはできるのですが、リスニングとスピーキングに苦労されています。幼少期に発音とリスニングの基盤を作れば、英語への苦手意識が減るように思います。