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②教育資金を賢く貯めるには 【教えてFP】

新学期を迎え、新たに子どもの習いごとを増やそうかと考えているコノコト家。でも受験や進学に向けて貯金もしたいし、将来子どもに負担をかけないために自分たちの老後のお金も少しずつ貯めたい…。頭を抱えるママ・パパがまずすべきことは? 富山県金融広報委員会金融広報アドバイザーのファイナンシャル・プランナーたちが、分かりやすくアドバイスします。

②FP横山純子さんに聞く「教育資金を知る、貯める」

 家族のマネープランにおいて、子どもの教育にお金がかかるという認識はみなさん持っていますが、実際いくらかかるの? という具体的な数字は把握できていない方が多いと思います。いろいろな選択肢が広がる中で、大学へ進むことだけが全てではありませんが、少なくとも子どもが大学へ進学を希望した場合の備えをしておくことは、必要でしょう。今回は、どのくらい教育費がかかるのかを把握することで、前向きに貯めるためのヒントをご紹介していきたいと思います。

小学校〜高校までの教育にかかるお金

 まずは現状で、小学校から高校までにいくらかかるのかを把握しておきましょう。
 子ども一人あたりの1年間での学習費の支出平均額(給食費をはじめとした学校へ払う費用と、塾など学校外活動費を含めたもの)を見ると、
公立小学校で約32万円、公立中学校で約48万円、
公立高校(全日制)で約45万円、私立高校(全日制)で約104万円。

 高校は、公立に進むか、私立に進むかで大きく変わってくることがわかります。さらに道具やユニフォーム、遠征費用などが必要な部活などをすると、これらにプラスされることになります。

暮らしに役立つ身近なお金の知恵・知識情報サイト 知るぽると より (図表4-2,4-5,4-12)

 

高校までにかかるお金は、家計(生活費)から捻出するように頑張ってみましょう。
教育資金としての貯蓄は、高校卒業後の進学のために使うお金として残しておくことが家計管理の基本です。

最大のテーマは、大学資金

 やはり一番お金がかかるのは、大学に通う4年間でしょう。なんとなくわかってはいるけど、実際いくらかかるのか。授業料を含んだ大学生の1年間の生活費を見てみましょう。

自宅から通った場合、
国公立で約110万円、私立で約177万円。

一人暮らし(下宿等)の場合、
国公立で約172万円、私立で約239万円。

 また、私立でも文科系か理科系かで、授業料等は1.4倍から4倍違ってきます。
これが4年間続くわけです。上記の数字に、受験費用や住まいの準備資金として、プラス100万円は少なくとも見ておきたいところ。この数字を見ると、一人暮らしで私立大学に通った場合、やはり大学に通う4年間だけで1,000万円以上は必要になってくることがわかります。これを生活費から賄うのは、一般家庭ではかなり厳しいのが現実です。いかに高校卒業までに、貯めておけるかがポイントになってきます。

教育資金の賢いつくり方

 子どもの希望する進路と、それにかかる費用について、子どもが高校生になったら親子でしっかりと話し合っておきましょう。足りない場合は、親が教育ローンを借りるか?子どもが奨学金をもらうようにするか?の検討も必要です。

 子どもが幸せな人生をおくるための学びができる場が大学であれ、その他のところであれ、親としてはしっかりと準備して応援してあげたいものです。

まずは、児童手当には手をつけずに天引き預金して、すべて教育資金に!

テキスト ボックス: 一人あたりの児童手当受給額
3歳未満 月額1万5,000円×3年間=54万円。
3歳~中学校卒業まで 月額 1万円×12年間=144万円(第3子は、小学校卒業まで月額1万5,000円、以降月額1万円。)
合計 54万円+144万円=198万円(第3子の場合は、合計252万円。)

  児童手当を受給する15年間、第一子、第二子の場合、すべて貯めるだけで約200万円となります。それに頂いたお祝い金やお年玉などを一緒に貯めていくと、総額300万円は準備できるのではないでしょうか。児童手当は、子どものお金として生活費とは切り離してしっかりと確実に貯めていきましょう。

 国が後押しする優遇制度も利用して資産形成を行おう!

 しかし定期預金の金利が0.1%を下回る時代に、このような方法だけではなかなかお金は増えていきません。子育て期は、住宅を取得する時、介護に費用がかかる時、老後に向けての準備を始めたい時でもあります。確実に使いたいお金は元本保証で貯めるにしても、将来少しでも大きく育ってほしいお金は、リスクをとって運用してみることも必要でしょう。

 国も、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(小額投資非課税制度)などの金利優遇制度をつくって、将来への備えをする人たちを応援しています。iDeCoは親世代の老後の年金の足しになる資産形成として、NISAは利益が非課税となる制度なので、小額でも定期的に長期に渡って何にでも利用可能な資産を形成するために利用できます。本来であれば利益に20%の税金が引かれるはずが、非課税となるなどの優遇が受けられるので、積極的に利用したいものです。なかでも「ジュニアNISA」は、19歳以下の子ども名義でも開設でき、基本は18歳まで引き出すことができないため、大学進学費用の一部にすることもできるでしょう。

 利用にあたっての条件等は以下の金融庁のサイトなどでわかり易く解説されているのでぜひ確認して下さい。

参考:金融庁 NISA特設サイト
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/index.html

 子どもを大学に入れることがゴールではありません。大学でしっかり学んで、学んだことによって自立して豊かなしあわせな人生を送ってほしいと願うのが、親心だと思います。大切な子供たちが、どんな時代が到来してもたくましく明るく笑って、助け合って豊かに生きていけるように、親が一生懸命に考えて行動していれば、その背中を子ども達は追ってきてくれると思います。お金も大事ですが、親が子どもを思って行動すること、親子で一緒に考えて話し合うことによって育つ感性や創造性が、何より子どもたちへの恩恵となるのではないでしょうか。

 

横山 純子(よこやま じゅんこ) 

横山さん

サンク∞マネー(富山市)代表。ハウスメーカーに18年、不動産会社に9年勤務した後、2010年ファイナンシャル・プランナーとして独立。人生を最後までしあわせに生きるための、家計、不動産、資産形成の相談に応じ、関連するセミナーを主催したり、講師もつとめる。宅地建物取引士、日本FP協会認定CFP®、 一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

 

 

【次回】③保険これでいいの?

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